平成15年の話になりますが、ヤマト運輸は「クロネコメール便」を廃止する
というニュースがありました。
「クロネコメール便」とは受領印を必要としないチラシ・パンフレット・
カタログなどを新聞受けや郵便受けなどに投函・配達するものでしたが、
これが守られておらず、手紙やはがきなどの「信書」をメール便で送る利用者が
いるために、輸送したヤマト運輸と輸送を依頼した送り主が郵便法違反容疑で
書類送検もしくは警察から事情聴取されたことが原因となり「クロネコメール便」は
廃止となりました。
そこで今回は、気をつけないとあなたも罪に?
信書とはどういうものなのか、
信書を送るにはどうすればいいのかを詳しくお話ししていきます。
信書をメール便で送るのはなぜ違法なの?
そもそも信書とは?という事から説明していきます。
郵便法や信書便法で、信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、
または事実を通知する文書」とされています。
具体的には手紙やはがき、請求書、免許証などの許可証、領収書、役所の証明書などが該当します。
非信書としては、新聞・雑誌などの書籍、カタログや小切手類、図書券や商品券の
プリペイドカード類などが該当します。
「信書」と「非信書」は、同一文書であっても輸送の段階で定義が分かれることもあり、
利用者や民間の輸送業者が信書かの判断が難しいのです。
ダイレクトメールは文章中に個人名を印刷すれば信書、個人名を入れないのであれば非信書。
履歴書は応募者から企業へ送る場合は特定の受取人に対し、差出人の意思を表示しているため信書、
企業から応募者へ返送の場合は差出人の意思表示も事実の通知も終わっている文書であるため非信書。
線引きも曖昧で、なかなか一般の人たちにまで伝わっていないことなので、知らないうちに
罪を犯してしまう可能性が誰にでもあるのです。
郵便法第4条を一部抜粋しますと、
(2)会社以外の者は、何人も、他人の信書の送達を業としてはならない。
(3)運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために
信書の送達をしてはならない。ただし、貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、この限りでない。
とあり、手紙やはがきなどの「信書」は、総務大臣の許可を受けた信書便事業者に限って、その送達が認められているのです。
信書をメール便で送るとどんな罰則があるの?
「信書」をメール便で送り、郵便法に違反すれば、送り主と運送事業者に3年以下の懲役か300万円以下の罰金が課せられます。「知らなかった」で済む問題ではなさそうですね。
また、「あくまで貨物に添付する場合には、この限りではない」とありますので、例えば
一人暮らしのお子さんへダンボールに食品などを入れ、そこに手紙を添えても問題ありませんので安心してください。また、通販で購入した商品と一緒に納品書が入っていますがこれも大丈夫です。
荷物がメインでそれに対する添え状であれば一緒に送ることがてきます。
信書をメール便以外で送るには?正し送り方をご紹介します!
では、一体どうすれば「信書」は送れるのでしょうか?
その方法は限られていて、郵便局でしたら定形郵便・定形外郵便・レターパック・スマートレターと種類は豊富です。
佐川急便でしたら飛脚特定信書便になります。
郵便局だからといってなんでも対応してるわけではなく、ゆうパック・ゆうメール・ゆうパケット・クリックポストは信書を送ることができませんので注意が必要です。
荷物や封筒の梱包後はそのなかに信書が入っているかいないかは運送会社側では確認ができません。
ですから、信書の発送に関しては、発送する側が正しい知識を得たうえで、自己責任で正しい発送方法を選択しなければならないのです。
まとめ
いかがでしたか?
信書と言うのは判断が難しいので、知らずに送ってしまう可能性もあります。
その場合、送った本人と配送を請け負った側も罪に問われることになってしまいますので、
信書かどうか曖昧な物や自分で判断がつかない荷物であれば郵便局で確認をして発送した方が安心ですね。