白檀の扇子とは、白檀の扇は香り高い白檀の木片を重ねたものです。
描き絵や、透し彫りで装飾を施したものが一般的で、涼むための道具というよりも、上品な香りを楽しむための扇子です。
白檀は日本では自生していない木なので、すべて原木を輸入し日本で加工しています。
原木はインドやインドネシア、オーストラリア、ハワイなどで産出されるビャクダン科の常緑小高木で、その精油成分が香るため生の状態でも香ります。
原産国により香りの特性も違い、インドのものはとくに香りが高いと珍重されていて、ネパールのものは上品さよりも甘さを強く感じるのです。
また、中国の伝統的医学の漢方でも白檀は有名で、芳香療法・香料治療であるアロマテラピーやインドの伝統的医学であるアーユルヴェーダではサンダルウッドという名前で有名です。
御香の原料や精油に加工するなどで使われていて、効能としては咳や喉の痛みにも効き目があり、鎮静効果により精神を落ち着かせるのに向いています。
そのほか免疫力を高めたり、抗菌効果や保湿効果もあることから神秘的な植物として知られ世界中で愛されているのです。
白檀の扇子 香りを長持ちさせる方法とは?
やわらかく優しく、穏やかで妖艶といったような香りの印象から、昔は着物に白檀の香りをつけていました。
最近安く出回っている扇子のほとんどが匂いをつけたもので、数年すると香りがなくなってしまいます。香りがしなくなったらサンダルウッドのオイルや香水を付けることでまた香りを楽しめるようにします。
保管については、桐の箱に入れて保管するのが一般的ですが、これは値段が高いものだから壊れないようにしているというよりも、光を遮って温度を適度に保つことが目的で、これにより香りを保つ効果があるのです。
持ち歩くときも、光の入らない素材の扇子袋に入れることをおすすめします。
白檀の扇子 本物?偽物?見分け方を教えます!
本物が欲しいと考えるなら、信頼できるお店選びからはじめましょう。
インターネットなどでも手に入れることができ、安価なものは1,000円くらいでも売られていますが、香りがすぐになくなってしまったり、値段がそれなりであっても、粗悪品が出回っている偽物のこともあるので、いちばん安心できるのは、京都などで昔ながらのお店を探したり、東京の有名店を当たってみてはいかがでしょうか。
遠くて買いに行けない場合でもそういった老舗のお店がインターネット販売していることもあります。
専門店や和装店などきちんとしたお店で、仕立てのいいものを購入すると、慎重に商品を選ぶと失敗も少ないかと思います。
本物は数も少なく、柄の加工がそれほど繊細でなかったとしても3万円から5万円します。
細かな細工物ともなると8万円から10万円のものもあります。細かい細工はある程度の技術力を持った職人の技が必要なのでそれだけ高価なものになるでしょう。
本物であれば半永久的に香りが保たれるといわれていて、紫外線に当たることで香りが飛んでしまってもそれは表面だけなので、擦るとまた白檀の持つ本来の香りが復活するようになります。
また、使っているうちに手垢などもついてしまうので、数年ごとに香り出しと汚れ落としとして、目の細かいヤスリをかけるなどのお手入れをするようにしましょう。
見分け方を一言で言うと、本物は芯から香りを放つので何度でも復活するのに対し、偽物は表面に香りをつけるため一時的に香るのです
まとめ
いかがでしたか?白檀の扇子は一生ものと考え、すでにお持ちの方はお手入れを怠らず、保管方法も注意して長く大切に愛用して下さいね。
これから購入を考えている方は、いいものを安心して買えるお店を探しましょう。デザインもさまざまなので、自分に合うお気に入りのものが見つかるといいですね。