雨の後にコンクリートブロックなどでよく見かけるカタツムリですが、のんびりと這っている様子が何とも愛らしいですよね。
カタツムリはナメクジとよく似ています。
害虫駆除として塩をかけての駆除をすることの多いナメクジのように、カタツムリも塩を浴びると縮んでしまったり死んでしまったりするのでしょうか?
そこでカタツムリの生態について、塩をかけられるとどうなってしまうのかお伝えします。
カタツムリは塩で死ぬ?!
ナメクジは、塩をあびると小さく縮んでしまいますね。
では、カタツムリは、塩に対してどのような反応をするのでしょう。
実は、カタツムリとナメクジは、分類上同じ仲間に属するのです。
陸で生活する巻貝のうち、殻を持つものをカタツムリ、殻を持たないものをナメクジと呼ぶのです。
当然、塩をかけられたときの反応も、カタツムリとナメクジは同じです。
ナメクジの駆除の際、塩をかけると、ナメクジの体がみるみる縮んでゆくのが分かります。
ナメクジと同じ仲間であるカタツムリも、塩をかけられたら同じように縮んでしまうのです。
塩をかけられた状態でそのまま放置してしまうと、カタツムリもナメクジも死んでしまいます。
カタツムリが塩で縮むのはなぜ?!
カタツムリやナメクジは、なぜ塩をかけられると縮んでしまうのでしょうか。
それには、カタツムリたちの体、特に皮膚の状態に秘密があります。
多くの生物は、体の表面に、皮膚、表皮、うろこなどを持っています。
表皮があることで、体内の水分を保持したり、外からの刺激に対して体を防御したりすることができます。
一方、カタツムリやナメクジの体には、うろこも表皮もありません。
外からの刺激から体を守るため、カタツムリたちは体から粘液を分泌し、水分を保持したり刺激から体を守ったりしているのです。
このような仕組みを持つカタツムリたちの体に塩をかけると、体内の水分が体外へ排出されてしまうのです。
浸透圧という言葉、よく耳にするのではないでしょうか。
私たちの体を作る細胞を仕切っているのは、半透膜と呼ばれる膜です。
小さな分子を通過させる性質を持つ膜であり、カタツムリやナメクジの表面もこの半透膜で覆われています。
半透膜を隔てて、薄い溶液と濃い溶液が存在するとき、濃度を同じにするように水分は濃い溶液の方へ流れる性質があります。
キュウリやキャベツなどの野菜を塩もみすると、徐々に水分が出てきますね。
これを浸透圧というのです。
塩をかけられたカタツムリたちの表面では、まさにこの現象が起こっていて、塩の付いた外側の濃度を薄めようと、体内の水分がどんどん流れ出てゆくのです。
塩をかけられた失ったカタツムリたちは、このように水分を失い、干からびた状態になるため、縮んでしまうのです!
カタツムリに塩がついても復活させる方法はあるの?
では、カタツムリに塩がかかってしまった場合、もうなすすべはないのでしょうか?
浸透圧のはたらきは、濃い溶液がある限り続きますが、その元である塩分を除去してしまえば浸透圧による水分の排出も止まります。
もし誤ってカタツムリに塩がかかってしまったら、速やかに水につけてあげるなどして、体の表面に付いた塩分を取ってあげてください。
それにより、縮んだカタツムリも復活することがあるようですよ!
まとめ
カタツムリはナメクジも、同じ仲間であり、塩をかけたらどちらも縮んでしまうのですね。
縮むのは浸透圧の仕組みが関わっていて、塩分を除いてあげれば復活する可能性があることも分かりました。
身近にいるけれど、意外と知らないことの多いカタツムリ、ますます興味がわいてきますね!